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大阪における金属くず商許可申請について

こんにちは、行政書士くすき事務所の楠木です。
弊所では、大阪市浪速区に事務所を構え様々な申請業務を承っております。
この記事では、金属くず商許可申請についてご説明します。

古物取引を扱う事業で金属を取扱う場合は、大阪府金属くず営業条例では、金属くず商許可を取得する必要があるとの定めが設けられています。都道府県ごとに取扱いが異なりますので大阪府外の方はご注意下さい。

中古品の売買を営業しようとする際に古物商許可が必要になることについてはよく知られた事実であるように感じますが、金属くず商の許可はこれとは別個の許可制度であり、たとえ古物商許可を取得していたとしても、大阪府下において金属くずを取引の対象とする営業を行う際は金属くず商許可が必要となります。
※古物商許可の詳しい記事はコチラをご確認下さい。

中古品の銅線やスクラップ金属の売買は日常的に行われている行為ではありますが、条例の定めを知らないまま許可申請や届出を怠って営業をしていると、当然ながら罰則の対象になってしまいます。

・金属くず商とは?


はじめに、金属くず商とはどういうものか、確認しておきましょう。

「金属くず商」とは、「営業所を設けて金属くずを売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」と定義されています。

つまり、営業所を設けて、営業所で金属くずを買取りしたり販売する場合、または誰かから委託を受けて買取りをしたり、販売することを仕事とする人を言います。

中古の金属を本来の目的以外で加工などして売買する場合、例えば、金属をスクラップにして販売する場合などには、古物商ではなく「金属くず商」の許可が必要になります。本来の目的に従って売買、交換、加工又は使用されるものは古物商の許可が必要になります。
※古物商許可の詳しい記事はコチラをご確認下さい。

・金属くずとは

大阪府金属くず営業条例によると、金属くずとは、金属類で、古物営業法に規定する古物に該当せず、かつ、そのものの本来の生産目的に従って、売買し、交換し、加工し、又は使用されないものとされています。
金属くずにあたるのは、本来の目的以外の目的で加工したり使用する中古の金属であって、古物に該当しないものが金属くずに該当します。例えば、アルミ銅のスクラップハンダエアコン配管アルミサッシなどです。

上記以外の金属であっても、用途が本来の目的とは異なる金属であればその種類や性質は限定されていません。例えば販売するためにスクラップにした鉄や解体した自動車の部品等が金属くずに該当します。

「金属くず商」を営みたい方は営業所を管轄する警察の生活安全許可事務を担当する課に申請します。

※都道府県によっては必ずしも古物商と金属くず商をわけておらず、金属くず商の許可が必要でない県もあります。

ちなみに、金属くず商の許可が必要な都道府県は以下になります。

北海道 茨城県 長野県 静岡県 福井県 岐阜県 滋賀県 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県 岡山県 広島県 島根県 山口県 徳島県

・金属くず商と金属くず行商の違いは?

「金属くず商」と似た言葉で、「金属くず行商」というものもあります。

「金属くず行商」とは、「営業所によらないで個々に取引の相手方を求めて、金属くずを売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業」と定義されています。

つまり、営業所以外で個々の取引を行う場合です。例えば、金属くずを「買い付けに行く」「金属くずを売主のもとへ出向いて集め、金属くず商などに販売する」場合などが当てはまります。

従って、営業所を設けずに、取引の相手方を求めて金属くずの売買を仕事にする場合は、「金属くず行商」の届出が必要になります。

もちろん、「金属くず商」と「金属くず行商」を一緒に申請・届出することができます。警察の担当者の方によれば、ほとんどの方が一緒に申請なさっているそうです。

・許可申請の方法

金属くず業を営もうとする者は、以下の事項を記載した申請書を窓口となる所轄警察署の生活安全課(防犯係)に提出することにより申請を行います。

また、営業所(2以上の営業所を有するときは主たる営業所)の所在地を管轄する警察署長を経由して行います。ただし、営業所の名称及び所在地又は管理者の氏名、生年月日及び住所の変更については、変更に係る営業所の所在地を管轄する警察署長を経由して行うことができます。

なお、大阪府において申請の際に納付する申請手数料は7,500円とされています。

・許可申請に必要となる書類

・金属くず業許可申請書
・定款及び登記事項証明書簿(法人)
・履歴書及び住民票の写し(申請者、役員、管理者)
・欠格事由のいずれにも該当しないことを誓約する書面(申請者、役員、管理者)
・法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合においては、名称及び住所並びに代表者の氏名)を記載した書面並びに許可を受けていることを証する書面(金属くず営業を営むことに関し法定代理人の許可を受けている未成年者)

・欠格事由

許可を受けようとする者が以下のいずれかの事由に該当する場合は、金属くず商としての適格性を欠く者として許可を受けることはできません。

1.刑法第二編第三十六章又は第三十九章に定める罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から1年を経過しない者
2.古物営業法の規定に違反して許可を受けないで古物営業を営んだことにより刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から6か月を経過しない者
3.2の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から6か月を経過しない者
4.許可を取り消され、その取消しの日から6か月を経過しない者
5.精神機能の障害により金属くず商の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
6.未成年者(営業について成年者と同一の行為能力を有する者を除く)
7.法人の場合は、その業務を行う役員のうちに上記のいずれかに該当する者があるもの

・管理者

金属くず商は、営業所ごとに、その営業所に係る業務を適正に実施するための責任者として、以下の欠格事由に該当しない者のうちから管理者1人を選任して設置する必要があります。

1.刑法第二編第三十六章又は第三十九章に定める罪を犯して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から1年を経過しない者
2.古物営業法の規定に違反して許可を受けないで古物営業を営んだことにより刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から6か月を経過しない者
3.2の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることのなくなった日から6か月を経過しない者
4.許可を取り消され、その取消しの日から6か月を経過しない者
5.精神機能の障害により管理者の業務を適正に実施するに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者
6.未成年者(営業について成年者と同一の行為能力を有する者を除く)

・許可証について

金属くず商は、許可証の記載事項に変更があったときは、その日から10日(変更に係る事項が登記を要する事項である場合にあっては20日)以内に所轄の警察署を経由して公安委員会に許可証の書換えを申請する必要があります。(書換申請)

また、申請書の記載事項(許可証の記載事項に該当するものを除く)に変更があったときは、その日から10日(変更に係る事項が登記を要する事項である場合にあっては20日)以内に所轄の警察署を経由して公安委員会に許可証の届出を行う必要があります。(変更届)

・許可証の再交付・返納

金属くず商は、許可証を損傷し、又は亡失したときは、その日から10日以内に所轄の警察署を経由して公安委員会に許可証の再交付を申請する必要があります。(亡失した許可証を回復したときは、遅滞なく、公安委員会に当該許可証を返納します。)

また、営業を廃止し、又は許可を取り消されたときは、遅滞なく、許可証を公安委員会に返納しなければならないものとされています。

なお、金属くず商が死亡し、又は解散したときは、同居の親族若しくは法定代理人又は清算人若しくは破産管財人(法人の解散が合併による場合にあっては、合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者)は、遅滞なく、許可証を公安委員会に返納するものとされています。

・許可後の義務

金属くず商として許可を取得した後は、古物商と同様に以下のような義務が課されます。

名義貸しの禁止自己の名義をもって、他人に金属くず業を営ませてはならない
標識の掲示営業所ごとに、公衆の見やすい場所に、金属くず商の標識を掲示しなければならない
確認及び申告金属くずを買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、身分証明書、運転免許証、国民健康保険被保険者証等の提示を求める等の方法その他身元の明らかな者の保証その他確実性のある方法によって相手方の氏名、住所、職業及び年齢を確認しなければならない
金属くずについて不正品の疑いがあると認めるときは、直ちにその旨を警察官に申告しなければならない
帳簿等への記載等後述

・帳簿等への記載等

金属くず商は、売買若しくは交換のため、又は売買若しくは交換の委託により、金属くずを受け取り、又は引き渡したときは、そのつど営業所ごとに、以下の事項を帳簿若しくはこれに準ずる書類に記載(又は電磁的方法により記録)し、最終の記載をした日から1年間営業所ごとに備え付け、又は保存することを義務付けられています。

※記載内容

・取引の年月日
・金属くずの品目、数量及び特徴
・相手方の氏名、住所、職業及び年齢(引渡しの場合は、職業及び年齢を除く)
・確認の方法

金属くず商は、帳簿等(又は電磁的方法による記録)を損傷し、若しくは亡失し、又はこれらが滅失したときは、直ちにその旨を営業所の所在地を管轄する警察署長に届け出る必要があります。

大阪府では雛形(ひながた)として金属くず受払台帳(別記様式第八号)が用意されていますが、帳簿に準ずる書類として、以下のいずれかに該当する書類を使用しても構いません。

・記載すべき事項を当該営業所における取引の順に記載することができる様式の書類
・取引伝票その他これに類する書類であって、記載すべき事項を取引ごとに記載することができる様式のもの

帳簿等の記載については以下のようなルールが設定されています。

・金属くずの品目は、識別の困難なものについては、品種ごとに一括記載することができる
・金属くずの特徴は、工芸品、機械類、公共用品その他の物で特徴がある場合に記載すること
・その帳簿等に既に記載のある相手方については、住所等に変更のないときは氏名のみを記載することができる
・取引伝票その他これに類する書類であって、記載すべき事項を取引ごとに記載することができる様式のものに記載をしたときは、当該書類を当該営業所における取引の順にとじ合わせておかなければならない

・金属くず行商の届出

大阪府において営業所を設けることなく、金属くずの取引を営業として行おうとするときは、行商をしようとする個人の住所(又は居所)を管轄する警察署を窓口として公安委員会に対して金属くず行商の届出を行う必要があります。ただし、府内に住所及び居所を有しないときは、主たる行商地域を管轄する警察署長を通じて届出を行います。

法人であれば営業所を設置することが通常であるため、金属くず行商については個人名でのみ届出を行うことができます。

金属くず行商の届出には以下の書類が必要になりますが、届出について手数料は発生しません。

※まとめ

以上のような手続きで、金属くず商許可申請及び金属くず行商の届出は自身で申請することも可能です。しかしながら、面倒な書類の作成から、関連機関との調整及び申請には時間や手間を要します。
そんな時は、行政書士などの専門家のアドバイスを受けることも検討するとよいでしょう。

大阪で、金属くず商許可申請又は金属くず行商の届出でお悩みの方は、是非「その悩み、くすきに相談」の行政書士くすき事務所にご連絡ください。